「TWWS」~TONGARI Wood&Leather Workshop …の、一応オフィシャルサイト
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00:35:52
3夜連続新宿戦利品。

好みの産地、というのはやはりあるものでして。
まぁ大体の産地は「好き」の範疇に入るというより「嫌い」にならないので
好みと言えば好みではありますが、その中でも特に…というのを水晶で言えば
入り口となったブラジル・ミナスジェライス、「綺麗」が飛び抜けつつも技の多い
アルペインバイン系のヒマラヤ&アルプス、ワイルド赤水晶好きにはたまらない
オレンジリバー&モロッコ、緑水晶好きに(略)ロシア&ギリシャなどなど。
挙げていけばホントにキリが無い訳で。

しかしながら、国内では(少なくともショー以外では)余り見る事が無くて
その真価を知らず、見て初めてドツボにすとーんと落ちる産地と言うのも
あります。特に日本は鉱物に関して後進国だそうなのもあってか、
「世界中どこにでもある」水晶でも、割と決まった産地が多い気が。
そんな中、「見るには見るけど量は無い」産出国に、新宿ショーで
ものの見事に捕まってしまいました。

その購入数、全て水晶で大小(っても最大で幅50mmくらいですが)合わせ
一気に4点。多分産地別では今回一番ブローしたところです。
その国とはこちら。

高温石英_イタリア1
イタリアです。
一応晶洞(というより空隙(ノジュール?)産出型のアメシストを1つだけ
持っていたのですが、今回ここまでツボるとは正直思いませんでした。

これはそのきっかけになったリグリア州内アペニン山脈産の高温石英。
実サイズは40mm弱四方ほどで、まさしく高温石英の「塊」。
黒い所は石墨の、他の色は母岩由来と思われる泥砂のインクです。
一般に高温石英(β-Quartz)とは、通常の石英(α-Quartz)より文字通り
高めの577℃~870℃で結晶する事で柱面の殆ど、あるいは全く無い
いわゆる「算盤玉」型に結晶したものを言います。
ちなみにお店の店主自ら採取したものだとか。わーお。

色々紛らわしいのでちょっと詳しく書いておきますが。
まず呼称に関して、日本では「高温石英」「高温水晶」「ベータクォーツ」と
呼ばれますが、これが国(あるいは人)によって違います。
今回買った際のラベルは「Quartz-2」でしたし、英語表記でも他に
「High Quartz」「Hot Quartz」のような表記も見かけます。
また、αとβを逆用する場合もあるそうで、名前だけで判断すると
非常に危険と言えます。
次に結晶形に関してですが、まず「高温石英」といっても、それは形だけです。
当然生成されてから産出する間にどうしても温度は下がる事になりますが、
その際577℃を下回った瞬間低温型に変化してしまうそうで、
どんな高温石英であっても「中身は普通の石英」だそうです。
つまり正確に表記するならば「高温石英仮晶の低温石英」となります。
また、独特の形に付いては実は低・高温型共に六方晶系であるものの
低温型の方が「三方晶系的」な産状を示すため柱面が発達、高温だと
純粋な六方晶系を示し易くなり、柱面が無くなって行くそうです。
ただし、極低温で出来る低温石英は似たような短柱状両錐型になりやすい
そうです。(ハーキマー・ダイヤモンドや中国のやけに整った両錐がそのようで
石墨やタールが入ってると混同しそうになりますが、実は石墨関係
(というより炭素系)の鉱物は生成環境差による別種・亜種がやたらと多く
その殆どが肉眼判別不可なので、全くアテになりません。
また柱面の未熟度に関しては酸性珪酸溶液に関連するもの…という見解が
最近出たそうですが、これはちょっと手元に資料が無いので保留。

…とまぁ、ちと小難しい事を書き連ねましたが、要は水晶の一種です。
一応この石は隅々までチェックしましたが、見える範囲の面は全て
錐面でしたので、高温型で問題無い…と思います。

お店の台の上に雑多に置かれた石の中で「一際汚かった(苦笑」のが
気になって「もしや?」と思ったらやはりそうでした。
イタリア産の高温石英は存在だけは知っていましたが、見るのは初めて。
と、手に取った所すかさずお店の方が「おお?良い眼してるね」と。
…いや、そこまで鋭くぴきーんと見つけた訳では無いんですが。( ̄▽ ̄;
で、色々話してる内に随分仲良くなってしまいました。

高温石英は欲しくてもどうも全体的に高額な割に、中々風景の良い物が無くて
ちょっと「困った子」だったのですが、これは比較すれば随分お手頃。
しかも複数と言うにも多過ぎるほどの結晶がわーっと無秩序に集まって
いるためか、一部が立・直方体に見えたり、角度で全然違う造型になったりで
非常に面白い。「よってたかって」という言葉がここまで似合う石も珍しいです。
というわけでお迎えと相成りまして、「他に…」と色々見て回した結果
このお店で一番量を買ってしまったという。(笑
無論どれも「精鋭」なので、全然後悔はございませんし、駆け出しマニアには
非常にありがたい「本当に良いお店との交流」が出来ましたので、
私には今回の新宿捕獲品中最大の文字通り「恩石」なのです。

小結晶の集合による複雑な内外造型と光の拡散。
石墨による絶妙の加減の「照り殺し」。
造りはぐちゃぐちゃなのに、見事にころんと収まった全体像。
これは「掌に乗るカオス」そのものです。
言葉には出来ないけど、ただひたすらに美しい。

…ただ1つ残念なのは、詳細産地が判らない事。
イタリアの地理にそこまで詳しくない為ラベルを見ても気付かず、現場で
聞かなかったのが失敗でした。
リグリア州内アペニン山脈と言ってもとにかく広い…というか長い!
海岸線からすぐ山脈地帯に入る…というか「州全体が斜面」とまで
言われるそうなので、気分は「でっかい伊豆半島」。
つまり、殆ど州の東側全部が対象となる訳で…。 orz
頑張って調べたものの同型水晶の産出データが全然見当たらず、
手を変えて石墨や化石燃料系産出側からも調べたもののまるで
見当が付きません。火山データもいまいち…。
しかも更に悪い事にこの石には明確な母岩が無いので産出地質が
いまいち不明な上、アペニン山脈自体の地質が中生代~古第三紀という
超長期間の混成状態らしく、路頭ごとに時代が違うような状況。
とどめに標高差は0~1000M以上で谷が多くやたらと入り組んでいるときました。

どーしょもないっす。(´・ω・`)
次の機会に近郊の地名でも教えてもらいますか…。

謎多き、美しい手乗りカオス。
この「古文書」を読み解けるのは…果たして何時の日でしょうか?

BGM:Focus「Eruption」
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TONGARI Take

Author:TONGARI Take
多趣味過ぎて常にテンパってる人。実はクラフト歴まだ浅いので、発想勝負。石は鉱物・岩石何でもありの鉱物-造形美好き中間派。パワーストーンは「何やら不可思議神秘系」ではなく、「天然造形芸術力」という意味で信じているタイプ。言うなれば「鉱物無頼・盆栽派」。

石に付いては色々書いていますが、全て「補足」です。本質の一端を知る為に調べた事を書き連ねている事が多いです。皆様はそれに囚われることなく感じたそのままにご覧いただけると嬉しいです。
なお、石暦は3年半を過ぎました、まだまだ精進の身です。 orz

尚、石画像は標本写真と言う意識は殆ど無く、「現物に出来るだけ忠実なグラビア」的指向で撮影しています。
完全再現を求める標本写真がお好みの方には合わないかもしれませんが、その点はどうぞご了承の程お願いします。

使用カメラ:Canon IXY Digital 20IS
コレしか持ってないしー。

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