「TWWS」~TONGARI Wood&Leather Workshop …の、一応オフィシャルサイト
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2012/08/20
22:04:32
たった今久々にきっちり体感な地震がありました。
多摩地区では遠い感じでしたが、震源の茨城でも大した事無いもの
だったようで一安心です。

ホント、石好きにとっては地震は文字通りの天敵ですからねぇ。
勿論それ以前の問題もある訳ですけども。

さて、本日の石日記は相変らず古参の流れを続けます。
前回からは再度酸化鉱物で引継ぎ。
その上で、相変らず低下中なものの「どうせ焦っても上がらないもので
あるモチベーションなんざいっそ駄洒落のネタにしてしまえ」という
前向きなのかどうか怪しいコジツケにより、餅っぽい子が出演。

…本当にしょーもないですが。( ̄▽ ̄;

ともあれ、酸化鉱物となればやはり最大勢力は二酸化珪素一族。
今回はその中から、飛びぬけて「餅っぽい」もので行きましょう。

白濁水晶_ブラジル1
数は少ないですがコンスタントに見掛けますよね。

複数画像なので続きへ参ります。


真っ白もこもこしていて一瞬紙粘土握っただけにも見えますけども。
ブラジルはリオグランデドスル州産の水晶です。
…水晶、なんですかね?
英名の「Quartz」は塊状の石英も指しますから、必ずしも自形の水晶として
確定的な記載では無いのですが、和名に「水晶」ってなっていますので
一応そーゆー事にしておきます。
何でこんな事言うかは後程。

本品は私的には結構大きめで80x70x75mm程、ほぼボーダー一杯級。
このタイプの特徴的な…いや、典型的なスタイルの標本で、ご覧の通り全体が
真っ白に濁っており、一見には不定形の塊状に見えつつも、突起部分が何となく
水晶結晶形の形跡を残している、ミョーな摩訶不思議感のある子です。
ちょっと黒っぽい部分は観察してみたのですが、何だかよく判りません。
もしかしたら何かの鉱物かもしれませんが、同じくらいの確率で梱包に使った
印刷紙のインクが写ったとか言われても納得な状態でして。
ただ裏面の一部に泥質褐色の褐鉄鉱らしき部分もありますから、必ずしも
白色二酸化系素質一辺倒と言う訳ではなさそうです。

こんな感じ。

白濁水晶_ブラジル1底面
褐鉄鉱とも言えない「鉄っ気」程度かもですが。

このタイプは当州の特産品らしく、他産地で同系のものは見掛けません。
その異名(接頭詞?)の「Turbid」…即ち「白濁」が示す通り真っ白で透明感は
ほぼ皆無であり、強光で辛うじて角が浮き上がる程度に透ける程度。
その濁りも徹底していて、この子には破断部分が無いので確認出来ませんが
まず確実に内部の芯までこんな状態であるようですね。
各突起が割り切れない感じで水晶の形を残しているもの通常スタイルです。

よく見ると六角柱状。

白濁水晶_ブラジル1アップ
場所によっては天然エッチング跡らしき部分も。

で。
このタイプの水晶は一般には「一度生成された水晶が強酸/アルカリに晒され
コロイド状に溶解し、再度固化して出来たもの」という説明が為されております。
二酸化珪素を侵す成分としては弗化水素他数種が挙げられますが、まぁそれは
今回は置いておくとして、コロイド状…つまりゼラチン的なものが生成されて
固化するというプロセスがある為に、中途半端に水晶の形を残しているものと
いう解釈ですね。

コレに付いては、そこそこの方が「そんな都合良く行くのか」という疑問を
お持ちのようでして、実際私自身もイマイチ納得出来ておりませんでした。

しかし幸いにも、ある事から本品の日本公開時に当の解説をお書きになった
方に話をお伺いする機会がございまして。(一応ご希望により伏せます
そこで語られたのは大筋に於いて上記と同じ内容だったのですが、只一つ
異なると言うか補足として、「コロイド状」となっている部分には本来
もう一歩踏み込んだ、コロイド状の中でも「コロイド『溶液』」でありながら
最も固体に近い存在である「ゲル状」という記載が入っているはずだったと
いう事が判明致しまして。
これはかなり大きな差で、何れも溶媒溶液中に固体分子が分散している状態に
変わりは無いものの、殆ど流動性が無い状況を示す限定要因だからです。
つまり、多くのコロイド溶液で想像される「流れてしまう」という最大の
問題点が解消されたという事。
無論、それでも完全に固化している訳ではないですから一切失われないという
訳ではないですが、逆にだからこそこのルーズな造形にちゃんと結び付く訳で。
塩酸に漬けた一部の沸石がゼリー状になるように、二酸化珪素分子が恐らくは
応力(分子間結合するには低分子過ぎる?)によって必要以上に引き離されない
まま言わば「半固体の溶液」になったと考えれば辻褄が合います。
固化に関してはどのようなプロセスかはちょっと判りませんが、一番ありえる
要因としては乾燥(水分に限らず)でしょうか?
実際普通の水晶に比べれば遥かに粗粒な感触ですから、イメージとしては豆腐と
高野豆腐の違いみたいな感じで再固化する事は可能でしょう。

但しこの場合、別の疑問が湧いて来ます。
それは至極単純に「コイツは本当に鉱物的に石英(水晶)なのか?」という点。
上記のプロセスは確かに石英質の一旦溶解・再構築を可能とするものですし、
実際どの標本を見ても記載は「Quartz」なので素人ではそれ以上何も言えません。
ですが、ここで1つ日常よく見かけるものでどうしても引っ掛かるモノがあるのです。

それは、皆様乾燥剤でおなじみ「シリカゲル」。
名前でもうお判りでしょうが、コイツは正にゲル化したシリカ…二酸化珪素が
脱水状態になったもので、組成式はSiO2・nH2Oとなります。
んで、この組成式は実は鉱物の中ではオパールと全く同一のものとなるのです。
シリカゲルは製造過程で二酸化珪素を炭酸ナトリウム或いは水酸化ナトリウムで
融解させて得られる珪酸ゲルを脱水乾燥したものですが、このプロセスは上記の
本品の生成プロセスにかなり酷似しております。
果たして自然界で何種程同様の状態を示す溶液があるかは化学に明るくない為
判りませんが、もしこのスタイルで出来ていたとなればその生成物はシリカゲル、
つまり鉱物的に言えばオパールとして残るのではないかと。
尤もオパールは非晶質なので「ザラザラするのはおかしい」と思われるかも
しれませんが、脱水するには空間が必要でありゲル状物質は分子間にそれを
含む状態になりますから、そのスタイルが忠実に保持されればされるほど
脱水した後はきめ細かく、逆にスタイルが崩れれば徐々に荒く、脱水によって
失われた液状部分が空隙としてスポンジのように残るはずです。
何せ世の中には質量保存の法則ってヤツがありますから、何かが抜けたらその分
どこかの密度が増すなりスキマが出来るなりしなくてはいけませんしね。
ですから、もしかしたら全体が石英粒で塊状になったものもあるかもしれないので
全部がそうとは言い切れないものの、中には実質鉱物的には別種として扱われる
オパールになった「水晶仮晶」のものがある気がしてならないのです。

…ま、これだけ書いてもルーペで見える訳では無いですし、それこそX線でも
使って複数個体を調べて見ない事には結論が出ない「仮説」でしかありませんが。

そういえば余談ですけども。
これはよく誤解されている事ですが、我々が一般に言う「非晶質」というのは
本来的な意味とは少し違い、鉱物の場合は見る事が出来なくても超マクロの
世界ではきちんと結晶している事が殆どで、正確には潜晶質の場合が多いです。
ってかそもそも完全に結晶しないという事は即ち固有の化学式が与えられる
はずがありませんから、当然と言えば当然の話。
上記のオパールも鉱物記載的には非晶質とされておりますが、これはあくまで
鉱物として一般的に行われる検査分析の範囲で結晶が認められないからであり、
二酸化珪素としてはきちんと最低3元素から成る分子構造を持っているのです。
だってオパールの一般的な説明自体よく読めば「ある程度の水を含有し、
二酸化珪素の微粒子と水分子が規則性をもって並んでいる」ものじゃないですか。
文中で二酸化珪素の「微粒子」となっておりますから、そこは必ず分子構造が
保たれている訳で、1度も反復しない分子のみであるとも書いていません。
つまり完全に普通「見えない」だけで、結晶自体はしているのです。
ただこれはある意味で慣習の悪影響とも言える部分であって、長い間別分野で
同じ言葉が使われた結果意味がずれて来てしまったというお話なのですが。

ま、この辺も余り深くなると結晶学やディープな物理学になって来てしまい
私自身判らなくなってしまうので、これ以上はやめておきます。
ただ「非晶質」って物質は石好きさんで簡単に使われるほど単純なものでは
ないみたいだよーという事で。

何かもう、勢い任せに書き連ねましたが。
そんなこんなで、造形の面白さとソレに匹敵する謎を秘めた子です。
結晶が基本の鉱物で不定形が良い、というのはそれもまた矛盾した話な気が
しないでもないですが、実際そういう子が多いのは確か。
この子もそんな絶妙な不定形さが愛されているタイプだと思います。

そういえばやった事ないんですけども。
餅って水に漬けておくと柔らかくなるじゃないですか。

この子も何か変わったりするんですかね。(笑
上記の事もあって、やってみたいけどちょっと怖くもある罪作りなヤツです。


BGM:Anekdoten「This Far From The Sky (Demo)」

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TONGARI Take

Author:TONGARI Take
多趣味過ぎて常にテンパってる人。実はクラフト歴まだ浅いので、発想勝負。石は鉱物・岩石何でもありの鉱物-造形美好き中間派。パワーストーンは「何やら不可思議神秘系」ではなく、「天然造形芸術力」という意味で信じているタイプ。言うなれば「鉱物無頼・盆栽派」。

石に付いては色々書いていますが、全て「補足」です。本質の一端を知る為に調べた事を書き連ねている事が多いです。皆様はそれに囚われることなく感じたそのままにご覧いただけると嬉しいです。
なお、石暦は3年半を過ぎました、まだまだ精進の身です。 orz

尚、石画像は標本写真と言う意識は殆ど無く、「現物に出来るだけ忠実なグラビア」的指向で撮影しています。
完全再現を求める標本写真がお好みの方には合わないかもしれませんが、その点はどうぞご了承の程お願いします。

使用カメラ:Canon IXY Digital 20IS
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