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2012/07/07
17:09:10
さて、本日の石日記です。
集束へ向かう「'12新宿戦利品」特集は、今回含め残り3回です。

…結局ムズい1個は撮れないままだったか。 orz

勿論、今回もMVP候補→惜しくも落選品。
産地的特徴で言えば、クラッシック代表となる子ですかね。
鉱物としての産出が非常に広範に渡るものでありながら図鑑等の文献でかなりの
確率で古典として掲載・言及されている産地と産状のものですから。
そして昨日に続き金属鉱主役でもあり、手に取る機会がありそうで中々無く、
他の化合物系統に比べ登場頻度も決して高い方とは言えない元素鉱物2種の
タッグであり、まさかの余裕でボーダー内発見という嬉しい誤算でもあった子。

本鉱に付いて調べた事があれば一度はご覧になった方も多いであろうこの産状、
そして大変な伝統のある名産地として名高い所より出演です。

自然銀_ドイツ1
錬金の古来より変わらぬ姿。

複数画像なので続きへどうぞ。

モノがモノだけに、ホコリ掃除が不可能なのはご容赦下さい。
ドイツはサクソニー・AlberodaのShaft-186産の自然砒上の自然銀です。
実サイズは35x30x10mm程の若干サムネイルを越えるくらい、艶消し黒色で
ごそごそした質感の塊状自然砒を母岩として、細かな樹枝状自然銀がもう
これでもかという程に集りまくった一品です。
個々は細かい為メイン画像で形状は余り確認出来ないかと思いますが、
白銀色の部分全てが自然銀という馬鹿馬鹿しいまでのリッチさは伝わるでしょう。
しかも正面のみではなく、横も後方もほぼ全面がみっちり覆われております。
裏面の下方1/4程のみ採取のため破断した跡がございますが、これはもう
あって当然なモノなので気にすべき部分ではありませんね。
これがボーダー半分以下、まがりなりにも大豊作状態の貴金属鉱にしては
随分なお手頃さに感じるのですけど、一般にはどうなんでしょうね。

尚、このタイプの標本は自然砒を酸で溶かして自然銀を浮き出させているそうで。
という事は、採取時点ではただの黒い塊に近いものだったんでしょうか。
まぁ反応性の高い自然銀の事ですから、剥き出しだと即風化しかねませんし、
鮮度がある程度保たれている以上「埋まっていた」というのはとても納得出来ます。

細かくて見辛い「樹枝」のアップもきちんと用意致しました。

自然銀_ドイツ1アップ1
ホコリは本当にご勘弁、触ると折れるレベルなので手が出せません。(汗

自然銀_ドイツ1アップ2
フラクタルな樹枝状構造が延々続きます。

自然銀_ドイツ1アップ3
どちらかというと放射状のものが多いですが、一部長めの魚骨状も。

自然銀_ドイツ1アップ4
密集度が高い部分が多く、裸眼だと塊っぽく見える程の部位も多々。

確かに某図鑑のように1つが立派と言うものではございませんけども、ここまで
ぎっちりと、しかも様々なスタイルが見られるのですから良標本と言えるでしょう。
無論、盆栽度の高さに付いても言うまでもございません。

自然銀_ドイツ1アップ7
黒色が自然砒、微細な結晶質に見えますがこれはエッチング跡でしょうね。

また、一部に二次鉱物と思われる赤色で僅かな透明感のあるものが見て取れます。

自然銀_ドイツ1アップ5
自然銀を樹枝状のまま置換、或いは表面を覆ったような仮晶的部分。

自然銀_ドイツ1アップ6
銀・砒素の合間に別途細かく散在する部分。

実際には二次鉱物か同時期の共産鉱物かは不明ですけども、ラベル記載が無い
以上は普通に考えて比較的普遍な種でしょうし、状況的に見てルビーシルバー系か
水銀系が高確率であり、その上でmindatデータを見る限りでは当地の産出鉱に
水銀の気配が薄い傾向にありますから、その辺りを消去法で考えていくとこの赤色の
正体として最も可能性が高いのは淡紅銀鉱ではないかと思います。
淡紅銀鉱は「銀と砒素」と硫黄で出来ておりますから、成分的にもムリが無いかと。

当地の主要採掘元素は銀とウラニウムだそうです。
ただウラニウムが資源的価値を得たのは極最近の事ですから、元々は銀ありきの
鉱区であったことは想像に難くなく、事実ローマのゲルマン侵攻時には既に銀山と
して機能していたとも聞きますから、その歴史は相当なもの。
この標本が果たして何時採取されたものかは判りませんが、そんな古来より現在を
生きる私の手中に納まるまで、脈々と「名産地」であり続けるというのはやはり凄い事。
ドイツ観光局がここエルツ山地を「銀と宝と緑の地」としているのも伊達ではありません。

生い茂る樹枝状の自然銀。
樹枝状とはいうものの、私には放射状部分が多い事もあってかどうしてもオニヒトデの
一群に見えてしまっていたりします。
実際のオニヒトデは珊瑚礁を食い荒らし毒棘を持つ悪者としてのイメージが強いですが、
造形として見事な生物の1つである事も確か。
それにオニヒトデがいなければ法螺貝が飢えて死にますから、必要悪でもありますね。
だから私自身海好きですけど別にオニヒトデを毛嫌いしてはおらず、互いを侵犯せず
静かに共存すべき相手だと思っております。
この子の場合は何か立場が逆な気も致しますが、人との関わりという点では銀・砒素の
どちらも非常に密接である事は確かですし、決して共通点皆無とも言えないでしょう。

このオニヒトデは砒素という毒に抱かれて、今も現地に多々眠っているのでしょう。
願わくばその悪者も含めた珊瑚礁と同じく、後世までしっかりと残ってほしいものです。


BGM:Andrés Segovia「ロドリーゴ:アランフェス協奏曲 2. Adagio」

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TONGARI Take

Author:TONGARI Take
多趣味過ぎて常にテンパってる人。実はクラフト歴まだ浅いので、発想勝負。石は鉱物・岩石何でもありの鉱物-造形美好き中間派。パワーストーンは「何やら不可思議神秘系」ではなく、「天然造形芸術力」という意味で信じているタイプ。言うなれば「鉱物無頼・盆栽派」。

石に付いては色々書いていますが、全て「補足」です。本質の一端を知る為に調べた事を書き連ねている事が多いです。皆様はそれに囚われることなく感じたそのままにご覧いただけると嬉しいです。
なお、石暦は3年半を過ぎました、まだまだ精進の身です。 orz

尚、石画像は標本写真と言う意識は殆ど無く、「現物に出来るだけ忠実なグラビア」的指向で撮影しています。
完全再現を求める標本写真がお好みの方には合わないかもしれませんが、その点はどうぞご了承の程お願いします。

使用カメラ:Canon IXY Digital 20IS
コレしか持ってないしー。

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