「TWWS」~TONGARI Wood&Leather Workshop …の、一応オフィシャルサイト
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10:24:27
ペトロフ氏モノ、増強中♪

ペ1846B_モリブデン鉛鉱&珪亜鉛鉱
モリブデン鉛鉱は氏のモノで1度出てるので、今回は珪亜鉛鉱に付いて。

珪亜鉛鉱 (Willemite)
:ちょっと褐色っぽい錐面のある結晶、黄色はモリブデン鉛鉱
 紫は多分蛍石じゃないかと思いますが、記載無しなので不明
Zn2SiO4 珪酸塩鉱物 三方晶系(※1)
モース硬度5・1/2 フェナス石グループ 自形結晶が極端に少ない
米フランクリン&スターリングヒル鉱山の名産品として有名な子
本ブログでもスターリングヒル産が1度出ておりますね
珪酸亜鉛鉱とも呼ばれる 強烈な蛍光性で名高い
但し短波紫外線でしか光らないのでご注意 私持ってません orz
少量・塊状なら結構色んな場所で出るらしいが、結晶となると産地激減
普段見かけるのはせいぜい上記米2箇所と、後はナミビア・ツメブ産くらい
その他の産地のものは余り見た記憶が無い あるにはあるんでしょうけど
意外なほどミメット力の強い鉱物 色も形も相当のバリエーションが
mindatでは到底同一鉱物とは思えない姿をご披露しております
決め手はやはり蛍光になるだろうけど、短波灯は敷居が高い
亜鉛鉱物なので、鉛や銅の鉱物とは一緒しやすい 
また、金属鉱と仲の良い水晶・蛍石・方解石・苦灰石等も同様
基本結晶が大きくならないので、この辺とも場合によって紛らわしい
フェナス石グループというのは実に意外 化学式見れば納得だけど

※1:結晶系はmindatソース、国内では六方晶系記載が多い
六方晶系は三方晶系の亜種という考え方があるので、多分その違い

まぁその辺はともかく、何とも良い色合いの子ですネ。
蛍光が見れないのは残念ですが…短波灯高ぇYO!

…とか言いつつ手配してたり。(ぼそ


BGM:Iona「Healing」


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11:55:01
昨日の記事のコメントでリク受けましたので。
ちょっとその際のレスと同じような事になりますが。

…カテゴリは考察編でいいのかな?

ハウ石_ブラジル1
皆様お馴染み。

ブラジル産ハウ石(ハウライト)のラフカットです。
実サイズは35x30x30mm程のころんとした塊状。
まー見慣れたお姿そのままに、ちょっと石鹸的でもある白さの中に
石英っぽいのと灰~黒色の脈の走る極々一般的なお姿です。
案の定お安く、ワンコインもしません。

…で、もう1個。
流石に「そのまんま」は無いので、ちょっと変わった子という事で。

トルコ石_ネバダ2
礫岩っぽい…。

米ネバダ州はロイストンのトルコ石です。
こちらは実サイズ30x20x3mm程のスラブ(板)。
ご覧の通り、青と言われりゃ青だけど、緑と言われりゃそうとしか
見えない微妙な色合いをしたトルコ石の塊。
石英や長石と思われるもののスキマを充填するような、ちょっと
見慣れない感じの一品です。
とはいえ、本来ただの銅二次鉱物なのでフツーの姿っちゃその通りかも。
コレは某トルコ石に拘りをお持ちの某エスニック雑貨屋出身。
大体ワンコイン強。

ちなみに当ブログで過去に掲載した他のトルコ石はこちら。
メキシコ産1号、普通の塊状
メキシコ産2号、自形ありそうな粗粒塊~仏頭状(?)
アリゾナ スリーピングビューテュイー鉱山産

で。
ここからは昨日の記事コメで戴いた「白いターコイズってあるのん?」と
いうご質問への返信の写しみたいになりますけど。
(リンク先は基本的にmindatのデータ項です

結論から言えば、あります。
何気にトルコ石の条痕は白~薄青、青が自色の基本で
珪酸塩鉱物でもないとなれば、条痕に色があるのが普通です。
(実際にはその限りでも無いですが、多数派ではあります
同じ燐酸塩で例えれば、あれだけ色のバリエーション豊富な
燐灰石ですが、その中に無色~白が存在し、条痕も白色な感じ。
燐灰石の本来色は無~白色ですからね。
確か似たような事が、どっかの本にあったような…?
それに「トルコ石」は鉱物名と同時にグループ名なので、
近縁種をひっくるめて総称しているとも取れますし。
(※mindat「トルコ石グループ」

んで、流石にはっきりと白いものは少なかったですが、画像がありました。
この辺です。

ドイツ産結晶体
殆ど白に近いニューメキシコ産
同地でもっと白い塊研磨品、これは結構似てる

なので、一応「ホワイトバッファロー」等と呼ばれる白いトルコ石は、
きちんと存在するものなので正しい素性である可能性はあります。
多分化学式中最初の銅が同族他鉱になる際色々と置き換わるのですが、
そこに置換して含まれるAlやZn等の発色に関与しない元素に置換される
ことで色が薄くなったり、果てには消えると推測。
この辺、純粋で無~白・銅で青・コバルトで赤紫等を出す
菱亜鉛鉱の発色メカニズムに例えると割合把握し易いかと思います。

ただ、どうもmindatのデータでは白ターコイズはその実
仮晶的に他の石になったものというような表記もありますし、
(※参考:http://www.mindat.org/min-9845.html
様々な怪しいモノが出回りまくっているのも確か。
また、そもそも白いターコイズしてきちんと産出するもの
自体が相当貴重なようですから、市場で入手性がいいとは到底思えず。
故に、余程信頼の置ける、且つある程度でも鉱物寄りでないかぎり
私はちょっと記載を信用は出来ません。
つーかmindatで「Turquoise」検索すると、こんだけ色々と。
http://www.mindat.org/search.php?name=Turquoise
海外でも相当にカオスってるのは確かみたいです。(苦笑

ただ、何時も思うんですが…。
確かに、トルコ石の肉眼判定は厳しいです。
が、それは何気にハウライトにも言える事。
少なくとも、塊状のマグネサイト(白)と並べられたら、
私はちょっと確実に「そうだ」と言える自信はありません。

ネバダ産マグネサイト
カリフォルニア産ハウライト

そっくり。(´∀`;
どっちも塊状なら大量に採れる(一応量的にはマグネサイト
>ハウライト)ですから、肉眼は元より価格や流通量からも
どっちかは判断不能。
なので、もうこの辺は考えない事にしてます、私。(苦笑
一応信頼できる店で「○○として買ったよ」程度で。
…でもなー、ブラジルって菱苦土石の大産地なんだよなー。(汗
でも含硼素珪酸塩の大産地でもあるしなー。
この子もハウ石としてのお迎えでしたが、正確にはちょっと判りません。

ってか、不安を煽るこの事実。
mindatのハウライト項には、ブラジル産の登録が1個も無い!
反面、菱苦土石は勿論殆ど結晶体ですが、登録大量。
さあ、どう判断したもんか。(苦笑

…いやそれよりも。
石の…主にパワスト系が多いみたいですが…紹介・解説の
サイトが今回の調査時検索に数多く引っ掛かってきましたけど。
そこで「ハウライト(マグネサイト)」って記載は…。
まぁ、売るに際しこれこれこういう訳でどっちか判りませんから
こんな書き方になってます…というなら親切からの記載かもですし、
気持ちも判らんでもないのですが、売ってるのは菱苦土石だって
明記しているのに記載がこうだったり、その逆だったりは流石に「?」。
更にヒドイのは、その辺はしょってただ書いてるところがかなり多く。
パワストとしての意味も一緒くたに書かれていたりして。
…当然ですが、別鉱物ですからね。
それでいいのかなぁ…と、特にパワスト派でもない私ですら。
その辺きちんと分化しないのが、うさんくさく見られちゃう原因の
一端なのは確かですし、殆ど自殺行為同然だと思うんですけど…。
これは同意な方も大量にいらっしゃるようですが、治りませんねぇ。

哀しい事実ですが、ハウ石がひたすら不遇なのは確かです。
(除結晶標本→mindat内自形結晶のハウライト
私の方でも、「レッドハウライト(勿論染め…」などという
実に切ないものを見たりもしましたし。
ある意味、一番本質が評価されてない石でしょうね…。
嗚呼。(涙

そして、下画像のトルコ石も、本当に鉱物としてトルコ石かは
ちょっと謎で、正確に調べればグループ内別鉱になるかも。
一応、この産地で出るものとしては標準的な姿のようなので
トルコ石一族である事は疑わずに済みそうですが。
ただ、よく「グリーンターコイズ」として売っていたりするのは
これまた全然別系統のバリッシャー石だったりしますからねぇ。

この辺の子達の「人に弄繰り回された末」の事情は、本当に複雑。
最近では商品記載の明確化の流れで多少は改善も見られるようですが、
はっきり言って混乱が世界規模なので一定以上はどうにも。(汗

いやはや、困ったもんですね。(ハー
ま、アマチュアに出来る事と言えば、数を見る事とその情報を
蓄積・公開する事くらいです。
さて、この記事は…どうなんでしょう、お役に立ちますかねぇ?


BGM:Peter Gabriel「In Your Eyes」


19:50:43
さて…予告通り本日2発目はマラウィ緑の謎解きを参りましょう。
とりあえず今一度、マラウィのアップをご覧戴きまして。

緑&黄&煙水晶_マラウィ1アップ
ヒントをくれたカナダ錐輝石仮晶は前回参照。

さて、共通点と手掛かりを探してみましょう。
…といってもどちらも小さなものですし、産状も決して近いとは
言えませんから手探りも手探りですけれども。
まず、マラウィの方にご注目。
おさらいになりますが、この子は地が煙水晶のセプター式結晶で、
セプターの軸側に酸化鉄系の黄色が、笠側に緑閃石の緑がそれぞれ
インクルージョンして3色化しております。

ここでまず注目したいのは、「セプターである」という事。
セプターはご存知の通り、軸側結晶が先に生成された後に笠側結晶が
覆い被さるように生成される事で形成されます。
つまり、時系列上確実に軸側が先に結晶しており、またその結晶度も
後から笠側生成の際に追加珪酸がもたらされる事も含め、笠側に対して
はっきりした結晶形を取る、あるいは表面に新たな結晶が生じている
場合が殆どです。(逆に溶かされる場合もありますが

そう前提の上でこの子を見てみますと、明らかに不自然。
笠側が非常に端正な結晶形を示しているにも関わらず、軸側となる
黄色い部分は全体的にごそごそで、稜線もかなり甘くなっています。
また、水晶には普通にインクしてもおかしくないはずの酸化鉄も表面に
大量に露出しており、しかしコーティングという感じでもありません。
酸化鉄が軸側結晶生成後の発生でしたらありえる話ですが、折れた結晶で
確認した所、表面数層に渡ってインクしておりますので、多少の追加程度は
あったかもしれませんが、本来的な可能性も低いはずです。
かといって溶かされたのか…というとそういう訳でも無さそうで、
どう見ても溶解に伴うはずの蝕像や角落ちは確認出来ませんでした。

そしてその折れた結晶から判った事がもう2つ。
まず、これだけ笠側にインクしている緑閃石が、全く確認出来ません。
ついでにこの軸側は、はっきりした煙ではなく淡色or無色水晶の模様。
また、併せて笠側結晶の表面を仔細に観察してみると、繊維状インクが
多量にある際に特徴的な柱面成長の荒れが殆ど確認出来ません。
不思議に思いよーっく確認してみると、どうもこの緑閃石のインク層の上に
更に薄い水晶が1層被っているようで、ここの成長も僅かながら2段階に
判れていた事が判明しました。また、緑閃石も完全に繊維状のみのようです。
という事は、緑閃石は軸側結晶生成後=笠側結晶生成前の丁度間に発生したはず。
それも母岩に緑閃石の痕跡が殆ど見られない事も併せると、恐らくはその段階で
既に母岩表面を覆っていた褐鉄鉱等の非常に脆い母岩上に、いわゆる
「ビソライト」型の二次的な晶出をしていたであろう…と推測出来ます。
そう考えると、これだけインクにありながら露出面に殆ど緑閃石が残って
いない事も、「洗い流された」という状況で説明可能ですしね。

もう1つは軸側結晶の不自然さ。
実はこの軸側結晶、根元や母岩断面を追って行くと、殆ど母岩内部へは
至っておらず、完全に表面から晶出した状態になっています。
そして、今一度全体像をご覧戴くと…

緑&黄&煙水晶_マラウィ1
近くに纏まった各結晶を「群」に見てください。

…お判りになりますかね?
このクラスター中の水晶は、小さなものや折れた結晶を含めて見ても殆ど
平行連晶や互いが干渉した結晶が見当たらず、ほぼ全体的に放射状に
生えた状態のみで出来ているのです。
普通水晶の小さな結晶が集まったクラスターには大なり小なりそれらが
確認出来る事が殆どな中、これは地味ながらおかしな点。
しかも、褐鉄鉱を中心としていると思われる…つまり非常に脆いはずの
母岩に足元だけ接合して晶出している割には、脱落跡が少な過ぎます。
というか、途中で折れるくらいならぽろっと落ちるのが自然。
折れるという事は、それなりにしっかりと母岩に付いている必要があります。

そして、カナダ錐輝石をヒントに判った決定的な点が2つ。
まず1つ目、軸部分の質感を見ると…画像ではちょっと細か過ぎて判り辛いと
思いますが、実はこれが微妙にランダムな方向に向いたエレスチャル状態に
なっているのです。
当初はこれが酸化鉄インクの影響と考えていたのですが、カナダ錐輝石の
水晶化プロセスを見ると、非常に良く似たランダムな鱗片状。
となると、これは結晶度が違うだけで同じようなものでは…?
更にもう1つ、母岩上の黒い部分に付いて。
これを当初私は「表面が変質した錐輝石」と思っておりましたが、どうも
良く見てみると様子がおかしい。
何だろう…とじっくり確認してみたら、これはどうやら浅い角度で放射状に
成長している錐輝石の合間に、何やら別の方形っぽい鉱物が噛んでいる模様。
そして下画像を良くご覧戴きますと、母岩はその黒い部分の間を更に
褐鉄鉱が充填するように出来ている事が判ります。

さて。
ここまで来ると、かなり推測材料が出揃ったわけで。
相変わらずあくまで「仮説」である事を前提に申し上げますが。

まずこのクラスターの水晶ですが、ほぼ間違いなく二次的生成です。
そして、全体の成長を大まかに分けると約6段階を経ている…かと。
それぞれの段階をざっと書き連ねますと。

1.母岩生成
鉄リッチな…恐らくは赤鉄鉱を含有した粘土質、あるいは泥岩質のような
堆積orペグマタイト変質系鉱物に錐輝石が入った母岩が出来る。
        ↓
2.第一段階目の変質
炭酸塩の素質をもった鉱液がもたらされ、母岩の主要体が軽く洗い
流され粗粒化すると共に、赤鉄鉱が水酸化して褐鉄鉱化。
母岩が粗粒担った部分は、水酸化で堆積を増した褐鉄鉱が補填。
錐輝石がやや風化し、同時に一部の鉄がその合間を菱鉄鉱で充填する。
        ↓
3.軸側水晶の生成
錐輝石を変質させる成分の鉱液がもたらされ、大きく露出していた錐輝石が
仮晶化して、周囲の流され切れなかった褐鉄鉱を取り込みつつ水晶になる。
また、この際に錐輝石間の菱鉄鉱も何らかの変質を受けている。
しかし、母岩奥まで影響をもたらし、錐輝石の水晶化を完全に終える程の
変質能力は無く、母岩のチャート(?)化・錐輝石の変質を完全に終えないまま
この段階は終了する。
        ↓
4.緑閃石(ビソライト)の生成
3の際の終盤残滓、あるいは新たな鉱液によって緑閃石が出来る。
但しこれは緑閃石が笠側結晶にビソライト状態でまばらにインクされ、
また母岩に殆ど残留していない事から緑閃石成分が高濃度・かつ少量で
本産状に多い比較的低温の鉱液が関与していると思われる。
その影響で、緑閃石はそれなりの量が出来てはいても、ほぼ表層褐鉄鉱から
のみ晶出し、母岩への「根」の埋没は殆ど無かったものと推測。
        ↓
5.笠側水晶生成の第一段階
ここで新たな珪酸鉱液がもたらされ、笠側結晶の晶出が始まる。
その際に既に「種」になる錐輝石仮晶水晶があった(あるいは鉱液に「種」が
少なかった?)部分へ集中的に、周囲の緑閃石を巻き込みつつ結晶。
その際に母岩への付着が甘かった緑閃石は洗い流されてしまう。
同時に、軸側結晶へも再度結晶化があり、仮晶故の隙間部分をある程度
埋め込んでしまう。(軸側も表面のみ僅かに緑なのはこのせいか
また、残された・あるいは新たに露出した錐輝石&菱鉄鉱の変質も3~6にかけて
順次行われ、それが最終的にはサイズの差や折れ易さ等に影響していると推測。
        ↓
6.笠側結晶の完成
5の鉱液残滓、あるいは僅かな新たな鉱液によって、笠側の最表層部分が
出来上がる。このせいで表面への繊維状インクの影響は最小限に。
また、各段階で母岩の褐鉄鉱化も進行し、ほぼ粗粒部分の充填が完了する。


…ふー。
大体導き出したプロセスとしてはこんな感じです。
まだまだ…例えば「笠側だけ煙なのは何故か」とか、「菱鉄鉱の存在がちょっと
不自然じゃないか」とか細かい問題はありますけどね。
ただ、変質菱鉄鉱に付いては私もマラウィでの産出がそれなりに確認されて
いる事と結晶形がそのように見える事から「多分?」程度の事でして、
本当は石榴石等の他鉱物かもしれません。
まぁ、その辺は酸化・珪酸塩・炭酸塩系なら左程問題無いと思うのですが…。

もちろん、これは私が拾えたヒントから考えて、持てる知識と調査で可能な限り
帳尻を合わせて割り出した「仮説」。本当は全く違うかもしれません。
でも、こういう脳の使い方は非常に面白いですし、一応そこまで的外れでは
ないんじゃないかな…と思えますので、公開してみた次第。

さて、皆さんはこの子の出生に付いていかが思われますでしょうか…。



BGM:SLAPP HAPPY「Slow Moon's Rose」


19:26:11
(※本記事はシリーズものです。出来ればその1234より順にお読みください。)

さて、シリーズ「黄色の謎を追え!」完結編のその5です。
…すみません、食事してまったりしてたら転寝してしまいました。(苦笑

前回「紫外線照射下で忠実な色を出す撮影法」を知った私。
ブラジルレモン水晶の撮影後、暗室状態の部屋で色んなものに
紫外線当てて遊んでいました。(笑
人間の皮の厚い部分とか、漫画表紙の一部塗料とか良く光りますね。(・∀・)

で、そんな事してましたら光ったんですよ…あやつが。

天川レモン1紫外線
おおうっ!?Σ(゚Д゚)

…へー、こいつ光るんだ…しかも完全に硫黄系の光り方だー。
知らなかったなー。(・ω・)
と、軽ーく考えて「そうだ、他に照射画像あるのかな?」とWeb検索して
みたら…無い。あれ?と思って色々キーワード変えても無い。
まさかと思って調べてみると、画像検索どころか通常検索で学術系の
検証すら出て来ない。硫黄との関連性の考察も無い。
え?あれ?ひょっとして…試した人いない?
というか、「芯」の謎に迫ったWeb情報ってまだ無いの!?Σ(゚Д゚;)
…いや、実際は見付けられなかっただけであるのかもしれませんが。
少なくとも私が2時間ほどかけて探して見つかりませんでしたので、
色々とこの水晶の「芯」とその生成について考えてみました。

まず判ってる事の整理をしましょう。
・産地:奈良県吉野郡天川村洞川 五代松鉱山(現在閉山)。
・鉱床のスタイル:スカルン鉱床
・発色要因:微細な角閃石類と思われるが、正確には不明。
・芯:はっきりした成分は謎、六角注の薄層状で空洞の場合もある。
また、入っている結晶が多いが全てに入っているという訳でもない。
・内包物:「芯」から伸びる糸・霧・気泡状インクルージョンが主体。
その他には発色要因とされている角閃石類も含め、肉眼的な物は殆ど無い。
・結晶スタイル:ロシア・ダルゴネルスク似のスタイル。完全な平面の柱面を
持つものは少なく、並行連晶状に凸凹している場合が多い。
・共産鉱物:クラスターそのものが少数な上、言及しているところが少ないので
はっきりとは不明です。…が、少ないながらも見た感じ角閃石系らしき茶色の
柱~繊維状鉱物、酸化鉄らしき皮膜・黄色い粉末状鉱物が主体のようです。
・同、もしくは近隣産出する代表的な鉱物:
灰鉄柘榴石(アンドラダイト)・灰鉄輝石(ヘデンベルカイト)・磁鉄鉱(マグネタイト)
石膏(ジプサム)・珪灰鉄鉱(イルバイト)・鉄斧石(アキシナイト-Fe)
苦土電気石(ドラバイト、鉄電気石との中間種の可能性も?)など

ふ…ふふ…ふふふふふ…。
…こ、これ相当面白いデータじゃないっすか?( ̄▽ ̄;

まずよくダルネゴルスク産に例えられますが…似てますねぇ。
同じロシア沿海州Pavlovka Mineにも…。
形どころか鉱床も同じ灰スカルン系統ですし、産出鉱物までそっくり。
灰鉄柘榴石・灰鉄輝石・珪灰鉄鉱・磁(流)鉄鉱・鉄斧石…って、ここまで
見事な共通具合だと逆に怖いくらいですよ。
更に似た産出をする場所と言うとギリシャ・セリフォス島、ここもスカルン。
国内で言えば長野の甲武信鉱山近隣がかなり似ていて、これまたスカルン!
しかも、調べていたら金沢大学の一般公開論文に無茶苦茶興味深い資料を
発見、何とロシア沿海州~長野~奈良が白亜紀に同質の岩石帯を持っていて、
セリフォス島もイタリア-アルプス間で似たような立場にあった模様。
更にこの全ての地域が特殊な水晶の産地で、現在も地質プレートの
湾曲部近隣にあり、基本組成岩も非常に似通っている事が発覚。

<金沢大学 地球学科 日本海学研究叢書よりの抜粋項>
「日本海及びその周辺域の岩石」

これは幾らなんでも偶然じゃないでしょう!!
しかしこれだけではまだ不足、この奈良のみの特殊要素であると思われる
「硫黄」に付いて裏付けを取るべきです。
そこで、各地の硫酸塩鉱物・自然硫黄の産出と温泉の密集度を調査。
すると、ダルネゴルスクとセリフォスは殆ど検索に引っ掛かってこない。
長野甲武信近辺は流石に引っ掛かって来ますが、硫酸塩鉱物や
自然硫黄等の硫黄の気配自体は余り濃くない様子。
しかし天川村は硫酸塩鉱物こそ余り引っ掛からなかったものの、村そのもの、
更には同地域の洞川にも温泉があるようで、密集度と硫黄の気配はダントツで
ナンバー1でした。これが無関係とは思えません。

しかし、更にもう一手。
どこにも共通しない特徴である「芯」は一体何なのか?

…ここで、ちょっとトンデモかもしれない仮説立ててみます。
パキスタン・アーカンソー・ミナスジェライスの温泉分布・鉱床について調査開始。
そう、私はこの奈良レモンが実はファーデン水晶の一種じゃないか
思ったのです。そこで、共通項があるかどうかを、上記で他産地に余り強く
該当しなかった「温泉・熱水」という部分に絞って調査しました。

すると、何とビンゴ!!
アーカンソーは見事に温泉が結構あり、水晶そのものが熱水鉱床産出主体、
ミナスジェライスも温泉が点在しているようで、イティンガやディアマンティーナの
近辺に主体はペグマタイトなので少数ではありますが熱水鉱床もあるとのこと。
パキスタンは…さすがにそれどころじゃない情勢(汗)のせいか難航しましたが、
主要鉱床がスカルンで温泉も相当数点在しているらしい…と判りました。
つまり、ファーデンの産地は熱水が豊富で地質的に活発な地域が多いという
推論が成り立ちます。
実はKUROさんが自らのサイト「虚空座標」でファーデンに付いて考察していますが、
私はあの(3)の仮説に概ね賛成でありながら何か足らないと感じていました。
ひょっとして、このデータがそうなんじゃないでしょうか?
熱水の急激な流れが必要という事は、すなわち温泉地である可能性が高いのです。
(その割に日本でファーデンが無いのは、他条件が何か欠落しているのかも?)

そうすると、「芯」がある事が自然になります。
実際、奈良レモンの芯はファーデンの芯と非常に良く似ているんです。
ついでに言えば、最初ファーデンとして出来たからと言って、最後まで
ファーデンのまま育つ必要はどこにもありません。

ファーデンとして生成されてから帳尻を合わせるように全体を1つの結晶として
纏めようとしている姿と考えると、この独特の造型も不自然ではなくなるように思います。

そして、私が推測した奈良レモンの「芯」の正体。
それは、「白雲母」ではないか…と思います。もうちょっと言えば、角閃石・輝石系
(成分で微妙に変動しそうなので、あえて個別名は避けます)の「仮晶状態の
長細い六角柱状雲母」ではないか?と。これはブラジル産水晶付随の白雲母が
おそらくは結晶層間に含まれる硫黄分と思われる蛍光を示した事からの発想です。
もしその状態の白雲母に珪酸分と硫黄分を豊富に含む熱水が急激に流入し、
白雲母とその間の硫黄の変質と、それを軸にした水晶の生成が同時に
行われたら…こんな形になるかもしれないと思いませんか?
ついでに言えば、白雲母はある程度のサイズが無ければそうそう注目されず、
どこにでも存在する非常にありふれた鉱物。なので、逆に考察外だったとか?
しかもこの「芯」のような細いものであれば、単体で形が残る可能性も低いです。
そして何より、見たクラスターが何故か「芯」が放射状に生えている事が多い。
これは角閃石・輝石系の結晶スタイルを残しているとすれば十分ありえます。
また、角閃石・輝石系内包発色と言われる割に、「外部からの貫入跡」や
「半端に刺さった状態の結晶」が余りに少ない気がするのです。
(共産鉱物としてありえる範囲程度ならあるようですが。)
更に、水晶が成長する際「芯」に含まれ濃縮された硫黄がどんどん液・気化して
行くと考えると、周囲に出ている糸・気泡・霧状インクルージョンも全て
合点が行くのではないか…と。
実際、蛍光画像をご覧になると、ブラジルレモンの再と似たような感じで芯と
芯の密集する根元、芯から出ているインクルージョン部分を中心に蛍光し、
外部へ行くほど薄くなっているのがご確認出来るかと思います。
また、固体ごとの透明度差が激しい辺りも似ています。
そして、それなのにブラジルレモンほどダメージ・クラック等が多くないのは
この芯の部分に原因となる硫黄分が集約され、ランダムに存在しにくいからでは
ないか…と思うのです。

…以上、素人意見ですが、どうでしょう?
私としてはそれなりに理に適ってると思うのですが…。( ̄x ̄;

昨日思い付き、一気に調査~撮影~加工~文書きまで済ませたので
割とぐったりさんです。でも、何か出し切った感じですっきりしてますので、
今日は良く眠れそうです。(笑

それでは、シリーズ「黄色の謎を追え!」、今回で完結でございます。
ぐだぐだと長いことお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

さあ、夕飯食べましょうかね。( ̄▽ ̄

BGM:Mötley Crüe「Anarchy In The U.K.」

13:18:26
(※本記事はシリーズものです。出来ればその123より順にお読みください。)

さて…ここから「推論」のお話になります。
まずその1として、お題は「なぜブラジル産のレモン水晶には状態の良い物が
異様に少ないのか?」です。

私が石屋さんから聞いた話では、「採掘しているところが発破(ダイナマイト)採掘
している上に石の扱いがかなり荒いらしいよー」というものでした。
モノの扱いに関しては日本は異様に神経質(本業でも何度か痛感…)な部分が
ありますので、何となく「へー」と頷いてしまいそうになります。

が、ちょっと待ってください…それだけでは理由として不足していると思いませんか?
だって、ダイナマイト採掘なんてブラジルに限らず、はっきり言って世界中かなりの
採掘現場で普通に行われている手法ですよね?
現にダイナマイト使いまくりな上に、正直モノの扱いが荒っぽいアメリカ産の水晶で
そんな「状態悪いのばかりが普通」なんて所、ありましたっけ?
まして水晶・貴石中心ならまだしも、金属鉱山だったらもっと激しいはずですよ?
表面は熱水エッチングの影響が多い感じがしますから何となく判りますが、そんなんで
あんなばっきばきに割れたりヒビ入ったりするのが「普通」になります?
実際、「その1」の水晶はクラックこそ多いですが、同じ硫黄がインクルージョンして
いても別にそこまで酷くないですよ?

…という疑問を感じたので、「その2」で掲載した手持ちのレモン水晶
徹底的に調べました。で、まずはこれをご覧下さい。

レモンクオーツ中身
ブラジル産レモン水晶の中ほど部分のルーペアップです。
ブラジルレモン水晶は「硫黄が水晶結晶間に入り込んで」発色していますので、
実質実体化してインクルージョンしているのと同義となります。ただ、それが余りに
微細過ぎるために人間の目には「発色」として映っているだけです。

で、上の画像をよーっくご覧ください。
レモン水晶は一般に「黄色い水晶」として認知されていますが、イオン発色の
シトリン等とは決定的なまでに違う点として、相当の色ムラがあるのが
お判り頂けると思います。
また、更に良く見てみると、そのムラがクラックや気泡状のインクルージョン部分を
中心に濃く、離れるほど薄くなっている
のがお判りいただけるかと思います。
発色要因の硫黄が上記の通り実質実体化しているのであれば、何かの要因で
「空間」が出来たり、熱水の影響等で「膨張・液化・気化」したりすれば、容易に
内部での移動が可能だと思いませんか?
まして硫黄はタイプによるとはいえ平均してかなり融・沸点が低い
(融点約106~112℃、沸点約444℃)ですから、水晶が生成されるような環境下では
相当に状態が不安定になる物質です。
(黄鉄鉱等の硫酸塩鉱物との共産が多いのもそのためでしょう
ですから、ちょっとした空間でも相当に「暴れる」物質のはずです。
で、より判りやすいよう硫黄の蛍光性を利用した紫外線照射による分布濃度
写真を…と思ったのですが、いかんせんこれがまた撮り辛い&撮れても良く判らない。
どうしたものかーと思っていると、ふとそこで私の癖「逆読み発想」が発動。

実は、以前からWebの標本屋の写真等を見る度に思っていた事があります。
紫外線はその名の通り、人間の目には「紫色の光」として認識されます。
なので、鉱物世界入りたての頃から今もずっと見辛くてしょうがなかったのです。
一体これは「蛍光」なのか「紫外線色」なのか「蛍光と紫外線色が混ざった色」なのか
それとも「蛍光していないが紫外線と混ざった色」なのか。
はっきり言ってきちんと何処が何色に光ってますと明記されていないと、
未だに自信を持って「ここが何色蛍光」とは言えません。
…そもそもが、「色の付いた光」の下で蛍光「色」を見る事自体が難しいんですよ。
英国蛍石みたいな「日光でも色変わっちゃいます」レベルならともかく、
弱蛍光とかよく皆さんお判りになりますね?
まして写真なんて、蛍光灯の緑にすら過敏に反応するので余計に怪しくなります。
私は少なくともその状態で「本来の蛍光色」を自信を持って断言するのは無理です。

では、一番の問題点である「紫外線の色」を消すにはどうすべきか。
無論人間の目はそんな事不可能ですし、サングラスで遮断するにも限界があります。
というか、サングラスだと今度は「サングラス色」が混じっちゃいますし。
しかし…デジカメだとそれが可能なのです。

やり方は思い付きさえすれば実に単純な話で、「紫外線照射状態で
白いものを使ってホワイトバランスを取って」やれば良いのです。
こうすれば、「紫外線照射下での白」をデジカメが白色と認識し、
実質紫外線の紫色をキャンセルする事が可能になります。
そうして撮影した、本レモン水晶の「硫黄分布濃度画像」がこちら。

ブラジルレモン水晶紫外線
これなら判りやすい!(・∀・)
いかがでしょう、全体に根元の濃度が最大で先端に行くほど濃度が落ち、
クラック・気泡インクルージョン周りには特に集中しているのがお判り頂けますか?

こうなれば話はかなり単純になります。
つまり、ブラジルレモン水晶の状態が一般に悪いのは単純に採掘・取り扱い
法だけが原因なのではなく、水晶側にも「高濃度で硫黄がインクルージョンしている根元やクラック、気泡インクルージョン周囲といった『割れるきっかけ』
ポイントが余りにも多過ぎる」という要因があるから
ではないのでしょうか。
もしそうだとすれば、「ツイン等複数結晶状態が少ない」のも接合面で
同様の事が言えるようになりますので、こちらにも説明が付きます。

皆様のお持ちのブラジルレモンはいかがでしょう、同じような状態でしょうか?
もし「こんな感じです」とか「こっちは何か違う」等の情報がありましたら
お手数ですが是非コメント等頂けると幸いです。
そういった情報を累積していく「統計の力」こそ、アマチュアがWebを使って出来る
最大の検証方法だと思いますので…。

そして、この検証中に思わぬものが発覚したのです。
やっぱり長くなりましたので、ここは「推論1」のみにして「推論2」へ続きます。
…その前にご飯と一息だけ入れさせてくださいね。( ̄ω ̄*

BGM:Mike Oldfield「Magellan」

プロフィール

TONGARI Take

Author:TONGARI Take
多趣味過ぎて常にテンパってる人。実はクラフト歴まだ浅いので、発想勝負。石は鉱物・岩石何でもありの鉱物-造形美好き中間派。パワーストーンは「何やら不可思議神秘系」ではなく、「天然造形芸術力」という意味で信じているタイプ。言うなれば「鉱物無頼・盆栽派」。

石に付いては色々書いていますが、全て「補足」です。本質の一端を知る為に調べた事を書き連ねている事が多いです。皆様はそれに囚われることなく感じたそのままにご覧いただけると嬉しいです。
なお、石暦は3年半を過ぎました、まだまだ精進の身です。 orz

尚、石画像は標本写真と言う意識は殆ど無く、「現物に出来るだけ忠実なグラビア」的指向で撮影しています。
完全再現を求める標本写真がお好みの方には合わないかもしれませんが、その点はどうぞご了承の程お願いします。

使用カメラ:Canon IXY Digital 20IS
コレしか持ってないしー。

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